歩合制の営業マンは住宅ローン審査に不利なのでしょうか?

Pocket

営業職の人の中には、会社員であっても固定給制ではない報酬体系の人もいます。

毎月あるいは一定期間ごとの営業成績に応じた歩合給を、固定給に上乗せして支払われるパターンもありますし、固定給部分のない完全歩合制の方もいらっしゃいます。

こういった歩合制を含む報酬体系で仕事をしている方の場合、住宅ローン審査ではどのように扱われるのでしょうか???

雇用されていることには間違いないので、会社員と同じように審査されるのでしょうか?

それとも、もっと厳しい審査方法なのでしょうか?

結論からお伝えすると、歩合制の割合が相当少なくない限り、固定給の人よりも審査は厳しくなります

本コラムでは、

・歩合制の報酬体系の人の住宅ローン審査がどのように行われるのか?

・審査に向けてどのように準備していけば良いのか?

について、解説していきたいと思います。

■年収の安定性は返済負担率に影響を及ぼす

・返済比率(返済負担率)とは?

住宅ローン審査において、年収は“返済比率”を計算するときに利用されます。

返済比率(返済負担率)とは何かというと・・・

一言で言えば、年収に対する住宅ローン返済額の割合です。

年収400万の方が、年間100万の住宅ローン返済をしているとしたら、

返済負担率=100万÷400万=0.25(25%)

となります。

返済比率が、各金融機関が定めた基準値より高いと、審査に落ちてしまうこともあります。

また、年収ごとに返済比率の基準値は異なっています。

たとえば年収250万の人と年収600万の人では、後者の方が基準は高く設定されています。

(例)

年収250万の場合・・・返済比率の上限は25%

年収600万の場合・・・返済比率の上限は35%

このように、年収は住宅ローンの借入額と連動する重要な要素になるのです。

・固定給と歩合給とで、審査での取り扱いは異なる

上述したように、年収は住宅ローン審査における重要な要素になります。

したがって、毎月の収入が安定している固定給制の人と、毎月変動する可能性がある歩合給の人を、同じ土俵の上で審査することはできません

当然ですが、歩合給の人の方が審査は厳しくなりますし、同じ歩合給でも、収入に占める歩合の割合が多い人の方が厳しく審査されることになります。

完全歩合制に近い報酬体系の人については、個人事業主と同様に、過去3年分の源泉徴収票を確認されることもあります。

お金を貸す側の金融機関からしたら、”貸したお金が返ってこないこと”がもっとも避けたい事態なので、収入の安定性については、かなりしっかりと確認されると思っておいて間違いありません。

■確定申告をしている場合の注意点

・会社から出ている報酬=収入ではない

歩合制の報酬体系の人の中には、営業経費が会社負担ではなく、本人負担という形式で働いている人もいます

代表的な例としては、保険外交員などが該当します。

彼らは保険会社の会社員でありながら、報酬体系は完全歩合制、営業活動の費用は自分で負担、という仕組みで働いています。

そして、このような報酬体系の方の場合、確定申告をしている方がほとんどです。

営業経費について確定申告をすることで、報酬から経費を引くことができ、課税所得を適正化(つまり払う税金を少なく)することができるからです。

したがって、このように歩合給で確定申告をされている方の場合は、会社からもらっている報酬と税務上の収入が異なります

具体的には、

会社から受け取る報酬>確定申告後の収入

となっています。

この場合、住宅ローン審査で“収入”として見られるのは、「確定申告後の収入」の方なので、認識違いをして住宅ローン審査で引っかからないように注意が必要です。

・青色申告控除を引いた額が審査対象になる場合も

確定申告にも、

①白色申告・・・申告書類が簡易的

②青色申告・・・申告書類が複雑

の2種類があります。

青色申告は手続き書類の準備が複雑な分、控除額が大きく設定されています。

申告控除額は65万円なので、課税の対象となる収入を計算するときに、この65万円が差し引かれることになります。

住宅ローン審査においては、例えばフラット35の審査では、この65万円を差し引いた金額を「収入」と定義しています

したがって、

・会社から受け取った報酬総額が650万

・営業経費が100万

・青色申告控除が65万

という方がいた場合、フラット35では、

収入=650万-100万-65万=485万

として審査されてしまいます。

65万円を引く前の550万が採用されるわけではないので、住宅ローン審査を受けるときには注意が必要です。

(収入の定義は、金融機関によっても異なります。審査前に確認しておくことをお勧めします)

■住宅購入を決めたら、すぐに準備すべきこと

・完全歩合給に近い人は、個人事業主と同様の準備が必要

以上見ていただいたように、歩合給の職業の方は固定給の方に比べて、住宅ローン審査では厳しく見られます。

したがって、住宅購入を考え始めたら、入念な準備をすることが大事です。

特に完全歩合給の人は、審査方法は個人事業主の方と同じだと考えておいてください。

審査で提出する確定申告書も、三期分求められる可能性が高いので、「今年収入が多かったから、来年あたりそろそろ家を買おう」という考えでは、うまく審査に通らない可能性も出てきます。

収入が増えたからといって、すぐに住宅の予算を上げたりせずに、本当に希望借入額まで借りることが出来るかどうかを検証するようにしましょう。

(参考コラム「住宅ローン限度額(借入可能額)を自分で簡単に計算する方法」)

・計画を立てて年収を整える

完全歩合制でなくても、歩合給の割合が多い人については、住宅購入に“計画と準備”が必要です。

いつごろ家を購入するのかを家族で話し合い、購入予算なども含めて早めに計画を練りましょう。

特に、確定申告書を過去3年分提出しなければならない場合などは、3年分の年収を借入希望額に見合ったものに整える必要も出てきます。

個人事業主が住宅ローン審査に向けてやるべき5つの準備」のコラムも参考にしながら、準備を進めていきましょう。

■まとめ

歩合制の職業の人は、固定給の人に比べると住宅ローン審査は厳しくなりがちです。

特に、歩合制の割合が多くなればなるほど、審査は厳しくなり、最終的にはほぼ個人事業主と同じ内容で審査されます。

こういった方の場合、住宅購入の時期をしっかり計画して年収を整えることが大事です。

計画と準備がすべてなので、まずはそこからしっかり始めるようにしましょう。

住宅ローン比較サイトのご紹介

住宅ローン

コメントは受け付けていません。