病歴や持病があると住宅ローン審査は通らないのでしょうか?

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住宅ローンの審査というと、お金の面ばかり意識が行きがちですが、お金の条件をクリアできそうだとホッとした途端に不安になるのが健康面です。

ご相談を受けていても、

過去に大きな病気をしたのですが、住宅ローンは組めないのでしょうか?

とか、

持病があるのですが、審査は通らないでしょうか?

という質問がお客様からよく出てきます。

 

住宅ローンを組むときには団体信用生命保険(団信)と呼ばれる保険に加入することが原則、義務付けられています。

“義務付けられている”という表現の通り、多くの金融機関では、この保険に加入できなければ、住宅ローンを組ませてもらえません。

したがって、過去に大病をしている方や持病をお持ちの方にとっては、この団信の審査が住宅ローン審査の最後の鬼門となるのです。

 

結論からお伝えすると、持病や病歴が審査に影響を与える可能性は、「ケースバイケース」です。

病歴に関しては、病気をした時期や病名・その後の経過によりますし、持病に関しても、病気の内容等によります。

ただ「ケースバイケース」と言っても、それぞれの状況に応じて確認しておいてほしい“目安”もあります。

本コラムでは、この“目安”について説明していきたいと思います。

■病歴に関して確認すべき事項

まずは病歴に関して不安をお持ちの方が、団信の審査の際に確認・注意すべき事項についてです。

・告知期間は3年

最初に押さえておきたいのは、告知が必要な期間についてです。

「10年も20年も前の、既に完治している病気について聞かれることはないだろう」というのは、皆さん感じているようですが、では一体、何年前の病気まで告知の対象になるのでしょうか?

答えは「3年間」です。

本サイトでも「団体信用生命保険(団信)の審査項目と告知での注意ポイント」というコラムの中で、よくある団信の告知書の例を掲載しています。

その中で、3年以内に病歴があった場合に告知事項に該当しそうなのは、

『過去3年以内に下記の病気で、手術を受けたことまたは2週間以上にわたり医師の治療(診察・検査・指示・指導を含みます。)・投薬を受けたことがありますか』

という質問です。

 

ここで“下記の病気”と書かれている内容については、各保険会社によっても微妙に異なりますが先ほど紹介したコラムにも例を掲載しているので、参考にしてみてください。

また、最終的には引受保険会社によっても異なるので、この項目については申し込む金融機関で、事前に告知が必要な病名を確認するのが一番良いと思います。

まずここでは、“3年以内に病気で医者にかかっている場合には、告知に該当する可能性がある”というところを押さえておきましょう。

・定期的な通院も告知の対象に

次に押さえておきたいのが、通院などで治療や検査を継続しているパターンです。

上述したように、3年以内の病歴がない場合でも、その後継続的に通院治療等を行っている場合には、告知の対象になります

定期的な通院があった場合に、告知の対象になるのは、

『最近3ヵ月以内に医師の治療(診察・検査・指示・指導を含みます。)・投薬を受けたことがありますか。』

という質問の箇所です。

 

たとえば、

・医師から病名を告げられたのは5年前。4年前に入院し、退院後に定期的に通院している

という場合にも、告知の対象となるので注意が必要です。

・病名や時期等を正確に把握しておくこと

病歴があって、団信の審査が不安な方は、まず

正確な病名

治療開始時期(完治しているのなら完治の時期)

をしっかり把握することが大事です。

①と②が告知事項に該当しない場合には、無事に団信に通ることができるので、曖昧な情報のまま審査を受けないことが大切です。

 

私のお客様でも、

・お客様本人はAという病気と思っていたのに、医師に確認したらBだった

(Aは告知事項に該当、Bは非該当)

という方がいらっしゃいました。

最初に病院に行ったときに、先生から「Aの可能性があるから検査しましょう」と言われ、あまりのショックにAの病名しか頭に残っていなかった・・・という方でした。

曖昧な記憶のままで審査を受けていたら、団信に通らず、住宅ローンが組めないところでした。

事前準備(①病名と②時期の確認)をしっかりすることが大事ですね。

■持病に関して確認すべき事項

さて、次に持病をお持ちの方の注意・確認すべき事項について見ていきましょう。

・病名を正確に把握する

上と重複しますが、持病のある方も“病名を正確に把握する”ということが大事です。

持病に関しては、医師から「生まれつきの体質なので、治療の必要はない」と言われているケースなどもあります。

持病自体が告知事項に例示されている病気に該当していない場合もあるので、そういう可能性も含めて、しっかりと病名を確認しておくことをお勧めします

・通院歴や治療歴、利用している薬の名前も正確に告知する

持病について定期的な治療を受けている方や、投薬を継続している方については、通院歴・治療歴、利用している薬の名前なども正確に把握しておいてください。

同じ病名であっても、投与している薬によって査定結果が変わる場合もあります。

 

たとえば高血圧の場合、一部の強めの薬(抗血栓薬など)を服用していると引受保険会社から加入を断られるケースもあります。

告知に関しては、曖昧な情報を書くよりも、詳細まで書いて正確な判断を仰ぐ方が審査に通る確率が高いので、必要な情報は正確に把握しておいてください。

なお、代表的な病気ごとの告知内容については、「病気・病歴ごとに見る団体信用生命保険(団信)の告知方法」にも記載していますので、参考にしてみてください。

・持病があるから住宅ローンは組めない、とは限らない

住宅ローン相談にいらっしゃる方の中には、「持病があるから団信は通らない。だから住宅ローンも組めない」と思っていらっしゃる方が意外に多いです。

上述したように、病名や治療内容によって、まったく問題なく通るケースもたくさん見ていますので、あきらめずに、まず正確な情報を集めるところから始めてください

■最終的には引受保険会社が判断する

最後に、病歴や持病をお持ちの方に共通する注意点をお伝えしたいと思います。

・住宅ローン担当者は最終判断は下せない

多くのお客様が勘違いしているところをお伝えします。

まず、目の前の住宅ローン担当者(仲介業者や金融機関の人)は、団信の査定のプロではありません。

団信に加入できるかどうかは、団信を引き受ける保険会社(引受保険会社)の引受査定を担当する部署の人しか判断できません

これは団信に限らず、一般の生命保険でも同じです。

 

目安や可能性については、経験上お伝えすることもできますが、最終的な加入可否は保険会社にしか判断できません。

可能性がゼロでないのであれば、一度、団信を申し込んでみることも、今後の方針を決めていく際の判断材料になると思います。

・審査基準は引受保険会社によって異なる

団信に一度落ちた方に多いのは、「一度落ちたら、どこで審査しても通らない」という勘違いです。

団信の審査(診査)基準は、引き受ける保険会社ごとに異なります

病名や治療内容によっては、“A社にはギリギリの線で落ち、B社にはギリギリ通る”ということだって起こり得ます。

従って、引受保険会社が異なる金融機関で、もう一度団信に申し込んでみた方が良い場合もあります。

 

ただし、注意点は、

審査基準は“金融機関ごと”に異なるのではなく、“引受保険会社ごと”に異なる

というところです。

C銀行の団信に落ちて、D銀行でも落ちた。でもよく見たら両方ともA保険会社が団信の引受保険会社だった。

そんなことにならないようにしましょう。

他の金融機関に審査を申し込むときには、必ず、引受保険会社が以前落ちたところとは異なっているかどうかを確認することが大切です。

・団信に落ちても住宅ローンを組む方法はある

最後にアドバイスです。

「団信に落ちてしまったら住宅ローンが組めない」

確かに、間違いではありません。多くの金融機関がそうなので、9割がた正解と言って良いでしょう。

 

しかし、団信に落ちても住宅ローンを組む方法はあります

金融機関によっては、“ワイド団信”と呼ばれる審査基準の甘い団信を用意しているところもあります。

また、団信加入ができなくても住宅ローンを組めるところ(フラット35など)もあります。

一般の生命保険商品を活用して、住宅ローンを組めるように金融機関と交渉することも可能です。

いろんな打ち手があるので、あきらめずに方法を探っていくことが大切です。

 

なお、団信に加入できなくても住宅ローンを組む方法については、別のコラム「団体信用生命保険(団信)に落ちても住宅ローンを組む5つの方法」にも詳細を載せています。

ぜひ参考にしてください。

■まとめ

病歴や持病をお持ちの方にとっては、団信は最大の鬼門です。

ただし、病名や治療内容によっては、まったく問題なく通ることも多々あります。

事前準備として、①正確な病名の把握、②治療期間や治療内容の把握、をしっかりやっておくと良いでしょう。

団信に落ちても住宅ローンを組む方法はあります。

どうしても不安な場合は、専門家に相談することも検討してみてください。

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