中古住宅を購入しリフォームするのは、住宅ローン審査では不利?

Pocket

以前は住宅購入と言えば「新築」というイメージがありましたが、最近では中古物件を購入し、それを大規模にリフォーム(リノベーション)して住もうという方も増えてきています

「新築の価値は、入居した途端に2割下がる」という話もあるくらいなので、中古物件を購入してリフォームするというのは、コストパフォーマンスの面でも得策かもしれません。

政府も「住宅の価値は築年数で測るのではなく、使用価値で評価するべきだ」という考え方を後押し始めています。

ただ残念なことに、いまだに大規模なリフォーム(リノベーション)を前提とした中古物件の購入に対しては、住宅ローン審査では不利になる面があるようです。

特に、中古物件の購入代金と大規模なリフォーム代金の合計をフルローンに近い形で借りようとすると、減額承認(借入可能額を下げられた形での承認)になってしまうことも多いようです。

「リフォーム代金まで借りることができなくて、困っている」といった声もよく耳にします。

本コラムでは、中古物件を大規模リフォーム(リノベーション)する場合の、住宅ローン審査の仕組みと対策についてお話ししたいと思います。

■中古物件の担保評価は低い

・物件の担保評価が足を引っ張る

新築と中古物件の一番の違いは、担保評価です。
金融機関は、住宅ローンを組むときに、土地や建物の価値も計算しながら借入可能額を決定します。

担保評価の計算方法は、

・土地は路線価により計算する
・建物は建っているエリアと築年数を加味して計算する
というのが一般的です。

土地の評価は、当たり前かもしれませんが、中古でも新築でも変わりません。

一番変わるのは建物の評価です。

木造の場合、大体20年で住宅の価値はゼロになるので、20年を超えた物件の担保評価は、ほぼ土地の分だけになってしまいます。

しかし、上述したように、国をあげて「建物の評価は使用価値でするべきだ」という考え方を推進しているため、リフォーム後の建物の価値を担保評価として計算してくれる金融機関も、少しずつですが出てきています。

とは言え、やはり新築に比べるとはるかに担保評価が低いようで、「結局、借りたかった金額まで借りられず断念した!」という声も多く聞かれます。

・特に新規の住宅ローンは不利

この傾向は特に、新規で住宅ローンを組むときに強いようです。

逆に借り換えの審査では担保評価の影響が少ないようで、「数年後にダメ元で借り換え審査を受けてみたら、すんなり成功した!」という声も多く聞かれます。

住宅ローン審査は総合的な審査なので、他の要素も作用したのかもしれませんが、中古物件に関しては、個人的に”借り換えの時の方が審査が甘い”という印象を持っています。

■借入希望額に届かないときの一般的な打開策

では、借入希望額に届かない場合には住宅購入をあきらめなければならないのでしょうか???

まず、多くの方が実際に使われている方法をご紹介しましょう。

・リフォームローンと組み合わせる

一番よく使われるのは、住宅ローンとリフォームローンを組みわせる方法です。

この場合、物件の購入代金は住宅ローンを組むことでまかないます。

物件の購入代金分は担保評価を大幅にはオーバーしていないので、物件を担保に入れて、購入代金分の住宅ローンを組むことができます。

一方、借り入れが難しかったリフォーム代金は、別途リフォームローンでまかないます

昔からよく使われる方法ですが、この方法にもデメリットがあります。

・リフォームローンの3つのデメリット

リフォームには、以下の3つのデメリットがあります。

①金利が高い

まず1つ目は、リフォームローンは住宅ローンに比べて金利が高い、ということです。

2016年2月現在で、変動金利でも1 %台はほとんどありません。また固定金利になると、3 %台がほとんどです。

金利が高いということは、同じ金額を住宅ローンで借りるのと比べて、月々の返済額が多くなり、人によっては返済自体がきつく感じるようになります。

②最長借入期間が短い

2つ目のデメリットは、最長借入期間が短いということです。

住宅ローンでは、最長借入期間の設定は35年が一般的です。
一方、リフォームローンの場合は、35年の設定のものはありません。長くても30年ですが、30年の商品はほとんどありません。
短いものは5年、平均的には10年から25年の間で設定されているものがほとんどです。

借入期間が短いため、当然返済はきつくなります

③返済比率(返済負担率)に影響する

3つ目のデメリットは、① ②で説明したデメリットと関連します。

それは、リフォームローンが返済比率(負担率)に与える影響が大きい、ということです。

金利が高く、最長返済期間が短いリフォームローンは、月々の返済額が大きくなりがちです。

そして、それが返済比率にも影響し、借入可能額が少なくなってしまう原因にもなります。

せっかく住宅ローンでまかなえなかったリフォーム費用を、リフォームローンで工面しようとしたのに、返済比率への影響が大きいため、希望した金額まで借りられないということも起こりえます。

■中古物件購入とリノベーションを成功させるための対策

では、中古物件購入とリノベーションを成功させるためには、他にどのような方法があるのでしょうか???

・「リフォーム費用一体型の住宅ローン」を探す

まず1つ検討してほしいのは、リフォーム費用一体型の住宅ローン商品です。

これは、物件購入代金とリフォーム費用を合わせて、住宅ローンに一本化するための商品です。

いろんな金融機関が出していますが、2014年~2015年にかけて出始めたばかりの商品なので、“一体いくらまで借りられるのか?”という情報を持っている専門家がほとんどいません

私が相談を受けて調べた結果、このタイプの商品で借り入れできる金額は、銀行によって全く違います。

建物の担保評価をリフォーム後の状態を基準に計算してくれるところと、リフォーム後の状態をそれほど加味してくれないところがある

審査に使う金利を新築の場合よりも厳しくしているところとそうでないところがある

借入可能額を、(物件購入価格の一部+リフォーム費用)と設定しているところもあれば、(物件購入価格の1.◯倍まで)と設定しているところもある

調べていくと様々な基準がありますが、いずれにせよ物件購入価格とリフォーム費用の全体をフルローンで借りられるところはなかなかないことがわかります

ただし、うまく使えばリフォームローンを使うより返済総額を減らすことができるので、まずこういった住宅ローン商品を視野に入れて調べてみると良いでしょう。

・自己資金を用意する

中古物件とリフォームを同時に考えている方にとって1番良い準備になるのは、自己資金をしっかりと用意する、ということです。

当たり前すぎて元も子もないですが、新築を購入する場合でも中古を購入する場合でも、自己資金があればそれだけ有利な条件で住宅ローンを組めるでしょう。

・金融機関と個別に交渉する

もう一つご紹介したいのは、金融機関と個別に交渉する、ということです。
交渉と言うとすごくハードルが上がる感じがしますが、まずは銀行の住宅ローンセンターのようなところで相談してみるということです。

ただこの方法は、たくさんの金融機関に相談してみないと話が進まないので、時間と労力がかかります

「そんな時間を取ることはできない!!」という方は、プロにお願いして交渉を代行してもらうと良いでしょう。その方が、より有利な条件のものを見つけられるかもしれません。

■まとめ

ここまで読んでいただいたように、中古物件の購入と大規模なリフォーム費用を住宅ローンで賄うのは、なかなか厳しいと言えます。

ただし、中古物件を活用する方法は政府も力を入れており、コスト面でもメリットの多い方法だと思われます。

リフォーム費用一体型の住宅ローン商品も、今後さらに良いものが増えてくる傾向にあると思います

購入時に借り入れができなくても、借り換え時に活用する機会が出てくるかもしれないので、中古物件購入を考えている方はこまめにチェックしておくと良いでしょう。

こういった住宅ローン商品については、まだまだ住宅ローンの専門家も知識が浅い方が多いようなので、相談実績のある専門家が少ない状態です。

当研究所でも、かなりノウハウを蓄積してきているので、ご質問等やご相談がある方は、ぜひお問い合わせください。

住宅ローン比較サイトのご紹介

住宅ローン

コメントは受け付けていません。