団体信用生命保険(団信)に落ちても住宅ローンを組む5つの方法

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住宅ローンに関しては、多くの方が“お金”の面にばかり注目しがちです。

・この年収でいくらまで借りれるのか・・・?

・この借入額だと、毎月の返済がいくらになるのか・・・?返済は継続できそうか・・・?

・もっと低い金利の住宅ローンはないだろうか・・・?

「お金を借りて家を買う」という仕組みなので、“お金”にばかり焦点が行ってしまうのは、よく分かります。

ただ、ローン借入の条件として、団体信用生命保険(団信)の加入が義務付けられていることが多いので、“健康状態”にも注意する必要があります。

本コラムでは、最近相談の多い「団信に加入できず、住宅ローン審査で断られてしまった・・・」というケースへの対処方法を5つ紹介したいと思います。

1.他の金融機関をあたってみる

まず最初に検討してほしいのは、「他の金融機関で団信に通る可能性があるかどうか?」ということです。

可能性があるのであれば、再チャレンジしてみる価値はあります。

このとき大事なポイントは“引受保険会社が異なる金融機関を選ぶこと”です。

・引受保険会社とは・・・?

団体信用生命保険は、金融機関と提携している保険会社(これを「引受保険会社」といいます)が加入の可否を審査しています。

そして、団信の引受保険会社は、金融機関が異なっても重複していることがよくあります。

たとえば、団信の引受保険会社として大手のひとつであるカーディフ生命の場合、全国50以上の金融機関と提携し、団体信用生命保険を提供しています。

(例)カーディフ生命と提携している主な金融機関の抜粋

イオン銀行、群馬銀行、中央信用金庫、住信SBIネット銀行、スルガ銀行、筑波銀行、東京スター銀行、東京都民銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行、横浜銀行、楽天銀行など

団信の審査基準は、引受保険会社ごとに微妙に異なっています。

したがって、A保険会社では加入を拒否されても、B保険会社では団信に加入できるケースもあります。

特に、重病ではない軽微な告知事項が否認の原因の場合には、引受保険会社を変えることで団信に加入できる可能性もあります。

ただし、金融機関を変えても提携している引受保険会社が同じなら、かなりの高確率で再度否認されます・・・

再チャレンジの際には、必ず引受保険会社を確認するようにしてください。

・再チャレンジの際の注意点

団体信用生命保険(団信)の審査項目と告知での注意ポイント」のコラムの中でも取り上げましたが、告知書を記入する際に“情報を曖昧に書いた方が通りやすいのではないか・・・?”と勘違いしている方が多く見受けられます。

もし、以前加入を断られたときに、「告知書に詳しく病状を書かなかった!」という方は、再チャレンジの際には、詳細までしっかり病状等を告知して審査を受けるようにしましょう。

告知書に記入するときのポイントについては、「病気・病歴ごとに見る団体信用生命保険(団信)の告知方法」も参考になるかもしれません。

・この方針のメリットとデメリット

この方針の最大のメリットは、自分が組みたい条件に近い住宅ローン(最初に組もうと思ったものに近いもの)を組むことができることです。

一方、最大のデメリットは、ふたたび団信に落ちてしまうと、再々チャレンジはますます厳しくなっていくことです。

この方針を選択するケースとしては、

・告知内容が軽微な病気やけがである

・前回の告知の時に曖昧な情報を書いたことが原因で、団信に落ちた可能性がある

・変更予定の引受保険会社では、自分と同様の告知でも団信に加入できた実績がある

というような状況が挙げられます。

選択する際には、保険査定にも詳しい人に相談し、査定基準の目安の確認・告知すべき内容の確認をしておくのが良いでしょう。

 

2.告知期間を過ぎるまで待つ

「団信の再チャレンジは今は難しい。だけど、もう少し経てば“告知期間”に該当しなくなり、団信に加入できそう。」という方にお勧めの選択肢がこれです。

・告知期間とは・・・?

団体信用生命保険(団信)の審査項目と告知での注意ポイント」のコラムの中でも説明しましたが、告知書の質問項目には、「3か月以内」、「3年以内」といった“告知の対象となる期間”に関する記述があります。

たとえば、

・病気が完治して2年半経つが、それを告知したところ団信への加入を拒否された

・特に病歴はないが、3か月以内に通院したことを告知したら団信の審査に落ちた

というようなケースの場合、あと少し待てば告知期間に該当しなくなり、加入時の告知が不要になります。

ほんのちょっと住宅ローンを組む時期をずらすだけで、問題なく審査を通過できるのであれば、ベストな選択と言えるでしょう。

・この方針のメリットとデメリット

この方針の最大のメリットは、自分が組みたい住宅ローンを、気に入った金融機関で組むことができることです。待つだけで良いので、準備も簡単です。

一方、最大のデメリットは、一定期間待たなければならないので、気に入っている物件や土地が、その間に誰かに購入されてしまうかもしれないというリスクがあります。また、待っている間に新たな病気などが見つかった場合には、方針自体の見直しをしないといけなくなるかもしれません。

いずれにせよ、住宅ローンを組むことを急がなければならない場面では使えない方法なので、そのあたりもじっくり検討して方針を決める必要があります。

3.ワイド団信を検討してみる

3つ目の方針は「ワイド団信に加入する」という方法です。

・ワイド団信とは・・・?

よくテレビ等で、「持病のある方も入れます!」という保険のCMを見たことがあると思います。

保険業界では、これらの保険を総称して、「緩和(かんわ)型保険」と呼んでいます。

ワイド団信は、この緩和型保険の一種で、保険を引き受けるときの査定基準を“緩和”、つまり査定基準をゆるく設定した保険なのです。

団信に加入できなかったときの対処法として、金融機関などでも最初に勧められるのが、このワイド団信です。

・ワイド団信の保険料

一般的に、団体信用生命保険(ワイド団信ではないもの)に加入する場合、その保険料(掛け金)を負担するのは金融機関です。

したがって、“普通の団信”に無事に加入できた場合には、あなたが団信の掛け金を払う必要はありません。

しかし、ワイド団信の場合、一般の団信とは事情が異なります。

ワイド団信に加入した場合、「保険料は当行が負担します」と明示している金融機関が多いですが、実際には、加入者であるあなたにも間接的に負担分のしわよせが来ます。

その負担は、“金利の上乗せ”という形でやってきます。

通常の団信で住宅ローンを借入するときの金利に、0.2%~0.3%上乗せして、ワイド団信の保険料に充当するのが一般的です。

 (例)

・普通の団信で住宅ローン組む場合に、1.0%で借入できるとしたら・・・

   →ワイド団信で住宅ローンを組む場合は、金利が1.2~1.3%に!

・この方針のメリットとデメリット

この方針のメリットは、ワイド団信を使うことで選べる金融機関が増えることです。最初に「ここで借りたい!」と思った金融機関で団信を断られた場合でも、ワイド団信を使えば審査に通る可能性が大幅にアップします。

一方デメリットは、金利の上乗せの部分です。一見少ない上乗せに見えますが、何十年も払っていくということになると、それなりに多くの金額を払うことになります。

利用を検討するとしたら、上乗せ金利で返済していった場合のシミュレーションを作成してもらい、具体的に差額を見ながら他の方針と比較検討する方が、後悔のない選択になるはずです。

4.フラット35を利用する

4つ目の方針はフラット35を利用する方法です。

・フラット35は団信加入が必須ではない

フラット35とは、住宅金融支援機構(以下、「機構」と略します)が民間金融機関と提携して作った長期固定金利の住宅ローンです。

フラット35で住宅ローンを組む場合、団信の加入は、住宅ローンを組むための必須条件とはなっていません。

つまり、団信に加入しなくても住宅ローンが組める、ということです。

もちろん、機構側も団信を用意しているので、それに加入することも出来ますが、加入するか否かについての判断は、借り手に任されているということなのです。

したがって、団信に加入できないことが原因で住宅ローンを組めない場合には、フラット35を利用すればローンを組めるのです。

・この方針のメリットとデメリット

この方針の一番のメリットは、団信に加入できるか否かを気にすることなく住宅ローンが組めることです。団信に加入できず「もう家は買えないのでは・・・?」と心配される方もいらっしゃいますが、フラット35なら、そういう不安も解消できます。

一方でデメリットもあります。

最大のデメリットは、ローンを組んだ後、借り手が返済中に死亡したときに生じます。

団信に加入していれば、借り手が死んだときのローン残額は保険で完済されますが、加入していなければ遺された家族が返済していくことになります。

せっかくの夢のマイホームが、ご遺族にとって重荷になる可能性だってあります。

フラット35を利用する場合は、

・現在加入している生命保険が団信の代わりにならないか?

・団信の代わりに、新たに生命保険会社の保険に加入することはできないか?

といった点も併せて検討して、慎重に選ぶと良いでしょう。

5.連帯保証人を立てる

5つ目の方針は連帯保証人を立てる方法です。

・連帯保証人とは・・・?

あなたが住宅ローンの返済を継続できなくなったときに、代わりに返済してくれる人のことを「連帯保証人」といいます。

金融機関が住宅ローンを組むための条件としているのが、団信加入でしたね。

その目的は、“お金の借り手が死亡して返済できなくなったときに、保険で残りの返済額をまかなおう”というの趣旨です。

そういう意味では、連帯保証人の存在は、団信の代わりにもなり得ます。

金融機関の中には、「連帯保証人を立ててくれれば、団信に加入できなくても住宅ローンを貸しますよ」と言ってくれるところもあります。

そういう金融機関を見つけ交渉してみると、住宅ローンを組める可能性があります。

その場合、連帯保証人の返済能力も審査対象になることがあるので、金融機関ごとに直接確認してみてください。

・この方針のメリットとデメリット

この方針のメリットは、団信に加入できなくても住宅ローンが組めるということです。気に入った金融機関でローンを組める可能性もあります。

一方でデメリットもあります。

フラット35のケースと同様、あなたが亡くなってしまった場合(あるいは、亡くならなくても返済が滞った場合)には、連帯保証人に返済責任が生じてしまいます。また、金融機関が連帯保証人の返済能力を審査する可能性もあり、場合によっては否認されることもあります。

連帯保証人を立てて住宅ローンを組む場合は、不測自体があっても返済を継続できるような準備をしておくことが大事です。

たとえば、

・現在加入している保険があれば、それを継続する

・加入できるようであれば、新たに保険を追加する

・借入額を出来るだけ少なくする

というようなことをやっておくと、連帯保証人に迷惑をかけるような事態を少しでも避けることができるでしょう。

■告知義務違反は絶対NG

団信をテーマにした他のコラムでも何度も書きましたが、告知書に虚偽の内容を書いて団信に加入することだけはやめましょう。

保険会社は、これらの「告知義務違反」に該当する行為に対しては、厳しく対処しています。

実際に保険金が下りなかったケースも多々ありますので、気を付けましょう。

■まとめ

本コラムでは、団体信用生命保険(団信)に加入できなかったときの対処方法を5つ紹介しました。

それぞれメリットとデメリットがあります。特にデメリットについては十分理解して、自分に合った住宅ローンの組み方を考える参考としてみてください。

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