病気・病歴ごとに見る団体信用生命保険(団信)の告知方法

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団体信用生命保険(団信)の告知に関して、現在治療中の病気や過去の病歴に関する質問のメールをよく頂きます。

「借り換えを検討しています。7年前にがんになっているのですが、借り換えは難しいでしょうか?一応完治しているのですが・・・」

「血圧が高く治療中なのですが、飲んでいる薬の名前まで告知書に書く必要はありますか?詳しく書き過ぎると、逆に査定で不利になったりしませんか?」

というような内容の相談です。

これらの相談に回答するときにお伝えしている最も大切なポイントは、
審査を有利に進めるために、告知書に記入すべき情報を知っておきましょう!」
ということです。

実は、告知書に書くべき情報は、病気ごとに異なります
そして、審査に必要な情報が不足していると、審査結果にマイナスの影響を及ぼすことすらあります。

本コラムでは、持病や病歴がある場合の告知のポイントを身につけて頂こうと思います。

■告知書の記載情報が不足していると審査が不利に!

団信の審査(診査)は、引受保険会社(団信を引き受ける保険会社)が行います。

告知書で問われる内容は、おもに以下の通りです。

1.最近3ヵ月以内の通院歴の有無
2.過去3年以内の手術、または2週間以上の治療歴の有無
3.障害の有無

引受保険会社では、あなたが告知書に書いた情報をもとに審査を行います。
そして、あなたが書いた情報量が不十分な場合、審査には不利に働きます

保険会社では、病名、治療期間、投薬の種類、年齢等を総合的に判断して、診査結果を出しています。
したがって、情報があればあるほど、正確な判断が下せるのです。

では、情報が不足しているとどうなるのでしょうか???
そのとき保険会社は“疑わしきは罰する”という方針で審査します。
つまり、書かれていない情報からは推定できないリスクを、最大限重めに設定して、審査結果を出すのです。

「告知書にはあまり詳細まで書かない方が良い」というのは、勘違いです。
曖昧な情報しか書かないようにしていると、場合によっては団信への加入を拒否され、住宅ローンも組めないことになってしまいます
気を付けましょう。

■審査に必要な情報は病気ごとに異なる

もう一つ大切な知識として、
審査に必要な情報は、病気ごとに異なる
ということを知っておいてください。

ただし、団信の告知書には、病気ごとに“こういう情報が必要なので、それを記入してください”という細かい指示はありません。

・告知書の詳細記入欄の例

告知書は、
・質問に「はい/いいえ」で答える欄
・「はい」と答えた場合に、その詳細を記入する欄
の2つで構成されています。

以下に、告知書の詳細を記入する欄の書式の例を示しておきます。
(※複数社の告知書をもとに再現。各社微妙に異なるため、お申し込みの際には現物を確認してください)

告知事項が「はい」のときは、詳しくすべてご記入ください。
複数の病気等がある場合もすべてご記入ください。

【病気やけがの名前(診断名)・障害内容】
[                      ]

【治療・投薬を受けた年月】
年   月 ~    年   月

【入院の有無および期間】
あ り な し
年  月 ~   年  月(約   日間)

【手術の有無・時期および名前または部位】
あ り な し  [      ] 手術時期     年  月

【症状経過】
完   治 → 終診年月     年    月
治 療 中
現在の症状・治療内容・障害内容等
[                  ]

〔高血圧症の場合、最近の血圧値をご記入ください。〕
最高(収縮期圧)     mmHg
最低(拡張期圧)    mmHg

〔糖尿病の場合、ご記入ください。〕
最近の空腹時血糖値 mg/dl
HbA1c %
投与薬剤名 [      ] 合併症 あり なし  [     ]

 

告知書の詳細記入欄は、上のような感じです。
例で示したものは、比較的細かく記入の指示を出しているタイプのもので、詳細記入欄がもっとシンプルなタイプのものも多いです。

見てもらうと分かるように、高血圧症や糖尿病については、記入してほしい情報についての指示があります
が、一方で、それ以外の病気については、【症状経過】の項目の所に「現在の症状・治療内容・障害内容等」という記入欄があるだけです。

したがって、“どんな情報をどのくらい詳しく書くか”は書き手であるあなたにゆだねられています
多くの病気(病歴)については、この欄の記載内容をもとに審査をすることになりますが、上述したように、あなたの記載した情報が不足していると、審査では不利になってしまいます。

保険会社では、治療期間・完治の時期・投薬の種類・通院の頻度などを病気ごとに見ながら審査しています。
事前準備なく団信の告知書を書いてしまうと、
「書き方はお任せします」→情報不足!→不利な審査結果に・・・
という悪循環になりかねません

保険会社が必要としている情報は、病気ごとに異なっているため、事前に“どんな情報を記載する必要があるのか?”と検証することが大事です。

告知書の書き方ひとつで審査結果が変わることもあります。
団信に加入するときは、病名ごとに告知事項を整理し、詳細までしっかり告知することをお勧めします!

■病気(病歴)別の告知のポイント

では、相談の多い代表的な病気(病歴)別の告知のポイントをお伝えしておきましょう。

・がんの場合

がんが完治して、定期検査等も3年以内に行っていない場合には、告知事項に該当しません
(例)10年前にがんで入院・手術。完治した後、5年間は定期的に検査を行ってきたが、ここ5年間は検査にも行っていないケース

一方、完治していてもここ3年以内に定期検査を継続しておこなっている場合には告知が必要です。その場合、審査を通過する可能性は、残念ながら低いです。

それでも審査を受けてみたい場合には、告知書に「がんの部位やレベル、入院・手術の有無、完治した時期、検査の有無・頻度、最新の検査結果等」を詳しく記載しておきましょう。

上皮内がんの場合、種類にもよりますが、完治して同じく「部位、入院・手術の有無、完治した時期、検査の有無」については漏らさず記載しておきましょう。

・うつ(鬱)病の場合

うつ病が完治して3年以上経っている場合(通院歴もない場合)、告知事項に該当しないため記載する必要はありません。

逆に、告知事項に該当した場合は、がんと同じく、加入は厳しいです。

それでも審査を受けてみたい場合には、告知書に「診断時期、治療内容、治療期間、入院の有無、入院があればその期間、服薬内容(薬の名前や量)等」を詳しく記載しておきましょう。

・高血圧の場合

高血圧の場合、完治という概念がないので、服薬等で治療を継続している方が多いはずです。
血圧に関する保険査定の基準は、「年齢が高いほど審査が甘い」「治療期間が長いほど審査が甘い」というのが各社共通しています。

高齢になれば多くの方が血圧が高くなるため、保険会社としては“ある程度高くなるのは自然なこと”と考えています。
したがって、20代で高血圧症の方より30代の方が有利ですし、もっと言えば、借り換えなどで40代後半で団信に加入し直す方は、さらに有利です。

また、高血圧症に関しては、その症状を放置していることの方がリスクが高い(脳血管疾患などになりやすい)ので、治療期間が長く、現在の血圧が落ち着いている方の方が審査は有利です。

治療期間が長いということは“その人の体質に合った薬が見つかっている証拠”と保険会社は考えます。
一方、治療開始したばかりの方は、どうしても査定の上では不利になりますので、少なくとも半年以上の治療歴ができてから申し込みをした方が無難です。

治療歴が長くても現在の血圧が高い場合には査定も厳しくなります。

告知の際には、「 診断時期、治療内容、治療期間、服薬内容(薬の名前、量)、直近の血圧値(3カ月以内が目安)」などを記入するようにしましょう。

・脳梗塞の場合

脳梗塞の場合も結論から言えば査定を通過するのは厳しいです。

脳梗塞をはじめとする脳血管疾患(脳卒中やくも膜下出血など)の場合、完治後も予防のために投薬(血液が固まらないようにする薬)を継続している方がほとんどです。

この場合、継続的に通院しながら薬を処方してもらっているため、告知事項に該当する方がほとんどです。
もちろん、医師の指示により投薬を終了し3年以上経過している方の場合は、告知事項に該当しないため団信の加入も可能になってきます。

投薬は終了しているけれど、まだ告知事項に該当している方の場合には、告知事項に該当しなくなるまで時期を空けて住宅ローンを組むのもひとつの方法です。

一方、現在も投薬を継続している方の場合には、団信を使わずに住宅ローンを組む方法(フラット35など)を考えた方が良いかもしれません。

団信を使わないで住宅ローンを組む方法については、今後アップするコラムでも説明しますので、参考にしてみてください。

・パニック障害の場合

意外にお問い合わせが多いのが、パニック障害の方のケースです。

パニック障害の場合、投薬のための通院や診察を継続している方が多いので、その場合、告知事項に該当します。
そして、現在治療中の方は、加入は困難です。
団信を使わない住宅ローンの組み方(フラット35など)を検討してみてください。

もちろん、完治していて3年以上経っていれば、告知事項に該当しなくなっているので加入できます。

完治しているけれど、まだ3年未満なんです・・・という方の場合、「一般の生命保険に加入し、団信の代わりにする」という方法も可能な場合があります
“一般の生命保険”というのは、団信ではない保険(生命保険会社の保険商品)のことです。

生命保険会社が販売する保険商品の場合、“特別条件”という概念が存在します。
どういうものかというと・・・

最初に申込した内容をそのまま引き受けることは出来ないが、「リスクに応じた条件を飲んでくれるのであれば、加入できるようにしますよ」という制度です。

特別条件の例としては、
・数年間、死亡保障額(保険金)を減らす
・掛け金を高くする(割り増し保険料)
といったものがあります。

生命保険会社の場合、パニック障害で完治後3年未満でも加入できるケースがあるので、検討してみても良いかもしれません。

・その他の病気

本コラムですべての病気をカバーすることは難しいので、相談の多い代表例を書かせてもらいました。

本コラムですべてを網羅することはできませんが、その他の病気についても、団信加入前に詳しい人にアドバイスをもらうのが一番良いと思います。

アドバイスをもらう人としては・・・
・保険の査定基準に詳しい人
・病名ごとに告知書に書いた方がよい記載事項をアドバイスできる人
がベストです。

実際に査定をするのは保険会社なので、断定できるアドバイスが出来る人はいませんが、上記の基準を満たす人なら、大体の目安は提示できるはずです。

保険屋さんの知り合いがたくさんいるのであれば、各社の査定基準を聞いてみて参考にしてみるのも良いでしょう。
また、あまり知り合いがいないのであれば、複数社の保険を扱っている人(保険代理店などで働いている人)に聞いてみると良いでしょう。

■まとめ

病気ごとに審査に必要な情報は異なります。
そして、告知書に十分な情報を記入しないと、審査で不利に扱われることがあります。
団信に申し込む前に、病気ごとに必要な告知事項を調べ、情報を整理しておきましょう
必要があれば保険査定に詳しい人にアドバイスをもらうことも大切です。

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