住宅ローンで組める金額が、金融機関によって異なるのは何故ですか?

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住宅ローン審査に通らない原因の1つに、”自分が希望する借入額まで貸してもらえない“というものがあります。

決して住宅ローンが組めないわけではないのですが、金融機関に「借入希望額すべてを貸す事はできない」「もう少し借入額を減らしてくれれば通せますよ」と言われ、困って相談してくる方も多いです。

こういうケースの場合いろいろな原因が考えられます。

大きく分けると、
①年収に対して借入希望額が大きすぎる
②他に借り入れがあって、借入希望額まで住宅ローンが組めない
というのがほとんどです。

それぞれのケースに応じて解決策はいろいろあるのですが、“金融機関を変えて審査を受け直してみる”という方法も、有効な解決策候補の1つです。

実は、金融機関を変えることで、同じ年収でも住宅ローンが組める金額が変わることがあります

住宅購入時に、仲介業者さんの提携ローンのみしか検討されていない方の中には、このことを知らない方も多いようです。

本コラムでは、金融機関によって住宅ローンの借入可能額が異なる理由について、お伝えしたいと思います。

■審査金利が違う

金融機関によって借り入れ可能額が異なる1番大きな理由の1つ目は、金融機関ごとの審査金利の違いです。

・審査金利とは?実行金利との違い

まず、審査金利とは何か?というところからお話ししていきましょう。

皆さんが住宅ローンを選ぶときには、金利の比較をされると思います。

「A銀行は金利◯◯%だから、B銀行の方が金利が低い」とか、住宅ローンを組んだ後に実際に金利いくらで返済していくのかについて話題にすることが多いと思います。

このように、住宅ローンが実行されてから借入額にかかってくる金利のことを、「実行金利」と言います。

一方、住宅ローン審査では、この実行金利を使わずに、審査のための金利を基準に借入可能額を計算します。

この審査のための金利のことを「審査金利」と言います。

審査金利は実行金利に比べてはるかに高い金利に設定されているのが一般的です。

また、審査金利は金融機関によって大きく異なるのも特徴です。

・借入希望額が通らないとき

よく「借入希望額が審査で通らなかった」と相談にいらっしゃるお客様の特徴は、以下の2つのパターンです。

①他に借入がある場合

②年収に対して借入可能額オーバーの場合

いずれのパターンにせよ、”金融機関ごとに審査金利が異なる“ということを知っていれば、「もしかしたら他の金融機関で審査を受ければ、住宅ローンが組めるんじゃないか」という考え方ができます。

上述したように、審査金利は実行金利よりはるかに高く設定されているのが一般的ですが、金融機関の中には、審査金利と実行金利にさほど差がない金融機関も存在しています。

そういった金融機関をうまく見つけることができれば、借入希望額までスンナリ借りることができることもあります。

■返済負担率の基準が違う

金融機関によって借り入れ可能額が異なる2つ目の理由は、金融機関ごとの返済比率(返済負担率)の基準の違いです。

・返済比率は年収ごとに設定されている

返済比率(返済負担率)とは、年収に対し、年間の借り入れ返済額の割合を表したものです。

例えば、年収400万の人が年間120万の住宅ローンの返済をしていたら、返済負担率は、
120万÷ 400万= 0.3 (30%)
となります。

住宅ローン審査では、住宅ローンを組んだ時の年間の返済額が、年収に対して一定基準を上回ると、審査に通らないということになります。

返済比率(負担率)は、年収ごとに基準が設定されており、年収が高ければ高いほど返済比率の基準もおおらかになります。

一般的には、

・年収400万以下だと返済負担率の基準は30%以下

・年収400万以上だと返済負担率の基準は35%以下
というような設定になっています。

・同じ年収でも借りられる金額が異なる

ただし、上で示した例も、あくまでも1つの例に過ぎません。
金融機関によっては、もっと細かく年収ごとの返済比率を決めている金融機関もあります

たとえば、以前のコラム「住宅ローン限度額(借入可能額)を自分で簡単に計算する方法」では、以下のような例を挙げています。

年収 返済負担率
250万未満 年収の25%以下(借入自体が難しい)
250万~300万 年収の25%
300万~400万 年収の30%
400万~700万 年収の35%
700万以上 年収の40%

この表と先程の例を比較してみると、年収によっては、2つの金融機関で返済比率の基準が異なることがわかります。

年収300万以下の方は、先程の金融機関の基準(30%)の方が借入可能額が多くなり、逆に年収700万以上の方は、こちらの金融機関の基準(40%)の方が借入可能額が増えることがわかります。

こうやって、金融機関ごとの返済負担率の基準の違いも、借り入れ可能額の違いとなって現れてくるのです。

■細かい審査基準が違う

・住宅ローン審査は総合評価

今まで説明した2つの理由ほど大きな違いが出るわけではないのですが、計算上の違い以外にも借り入れ可能額の差が出てくることがあります。

それは、住宅ローン審査が総合的な審査であることに起因します。

住宅ローン審査は、単純に年収と返済比率の掛け算から借り入れ可能額を決めているわけではありません。

申込人の属性(職業、勤務先、勤続年数)や他の資産等によっても、審査に通るか否かが変わることがあります。

借入希望額が、借り入れ可能額を多少オーバーしていても、属性や他の資産の評価によって審査を通過することだってあります。

こういった評価方法も金融機関によって異なるため、A銀行では審査に通らなかったけれどもB銀行では審査に通る、といったことも起こり得るのです。

・交渉の余地もある

また、申込人本人がすることは稀ですが、専門家を雇って銀行に交渉してもらうよう依頼する方もいらっしゃいます。

当研究所でも、そういった交渉を請け負っていますが、申込人の持っている良い材料をアピールすることで交渉を受けてくれる金融機関は、かなり多く存在しています。

銀行と交渉することで、双方の妥協点が見つかり交渉がまとまることもあります

借入希望額が通らないケースでは、そういった交渉も有効であることを知っておくと良いでしょう。

■まとめ

借入希望額が通らない場合(他に借入がある場合や、年収に対して借入希望額か大きい場合)には、上手に金融機関を選ぶことで解決できる可能性があります。

大切なのは、仲介業者から紹介される住宅ローンだけにこだわらず、それ以外の住宅ローン商品も視野に入れることです。

一度審査に落ちたおかげで、最初の予定よりもずっと有利な住宅ローンが選べた方もたくさんいらっしゃいます。

専門家にも相談しつつ住宅ローン選びを進められれば、交渉なども代行してくれることもあるので、より選択肢が広がるでしょう。

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