年金生活をしていても、住宅ローン審査は通りますか?

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住宅ローンは返済期間の長い借入です。

最近では、定年退職し年金生活に入った方からの相談も増えてきています。

「いまの住宅ローンを借り換えて支払いを減らしたい」

「家が古くなったので建て替えのために住宅ローンを組みたい」

という相談が多いのですが、そこで必ず聞かれる質問が次の質問です。

年金しか収入がなくても住宅ローン審査は通るんでしょうか?

結論から言えば、

・年金生活でも住宅ローンは組めます

・借換もできます

ただ、年金という収入形態が理由で審査に通らないことはないですが、住宅ローンを組める金額には自然と制限が出てくるので注意が必要です。

本コラムでは、住宅ローン審査における年金収入の考え方と、審査に通るための対策をお伝えしたいと思います。

■年金は安定収入のひとつ

・安定収入は審査に有利

年金収入だと審査に通らないと考える方のほとんどは、「現役時代より収入が減っているから不利なのでは?」と考えている人がほとんどです。

しかし、年金には他の収入とは異なる大きな魅力があります。

それは、”生きてる限り確実に入る収入”であるということです。

これは審査の面では有利に働きます。

なぜなら、金融機関が審査で一番重要視しているのは、“貸したお金が確実に返ってくるかどうか?”だからです。

どんな大企業に勤めていても、倒産やリストラの可能性はゼロではありません。

安定職業と言われる公務員でも、自主的な転職や解雇の可能性はあります。

それに比べて年金ほど確実な収入はありません

審査に有利なのも理解できますよね。

・年金以外の収入もあればさらに有利

年金以外にも収入があれば、さらに評価は上がります

さすがに年金ほど”将来にわたり確実な収入”ではないですが、再雇用や再就職などで収入があれば「無理のない返済ができる可能性が高い」という評価につながるでしょう。

■借入可能額が低くなる2つの壁

ただし、年金生活者が住宅ローンを組むときは、「借入可能額が低くなってしまう」という問題が起き得ます。

それには2つの理由があります。

・年金のみでは収入が低い

まず1つ目は、借入可能額の計算の基準となる年収が、年金のみでは小さいということです。

他のコラムでもよく解説していますが、住宅ローン審査では”返済比率(返済負担率)”というものを審査の指標の1つにしています。

初めての方に簡単に解説しておくと、返済比率(返済負担率)とは、

(借入に対する年間返済額の合計)÷年収

という式で算出される数値のことです。

一言で言えば、「年収に対する1年間の借金返済額の割合」です。

この数字が一定基準を超えると、「借入金額が大きすぎる」と判定されることになります。

式を見れば分かるように、年収が高ければ高い方が借入可能額(ここでは住宅ローンを組める金額)が増えます。

しかし、年金収入はせいぜい300万くらいですから、借入可能額が低くなってしまうのです。

・住宅ローンを組める年数が少ない

もうひとつの理由は、住宅ローンを組める年数が少ないということです。

一般的に住宅ローンは“80歳になった時点で完済していること”が条件です。

つまり、79歳のうちに完済しておかなければなりません

たとえば、67歳の人が「以前より金利も低くなったし、住宅ローンを借り換えようかな・・・」と考えた場合、住宅ローンを組める期間は、

79歳ー67歳=12(年)

以下でなければなりません。

これが借入可能額にどのように影響を与えるかというと・・・

67歳の時点での残債を12年のローンで完済することになるので、上でも説明した“返済比率(返済負担率)”の基準をオーバーしてしまう可能性が高いのです。

したがって、「住宅ローンを組める金額まで借りられない」という自体が出てきてしまうのです。

■住宅ローン審査に通るための対策

では、上のような問題点をクリアして借入希望額まで住宅ローンを組むために、どのような対策があるのでしょうか???

色々なやり方がありますが、ここでは3つほど紹介したいと思います。

・収入合算を試みる

まず、1つ目は“収入合算”ができないかを検討する方法です。

収入合算とは、返済負担率の問題で、本人の収入だけでは借入希望額に届かない場合に、同居する家族(配偶者や子供など)の収入を加えて借入可能額を計算してもらう方法です。

(収入合算できる人の範囲は、金融機関によって異なるので、個別に確認が必要です)

現在、年金を受給しているご夫婦の場合、ご主人の方が年上のケースが多いようです。

その場合、ご主人は退職しているけれど、奥様は現役で仕事をしているというケースもあります。

そのときには、収入合算を利用することもできるでしょう。

また、子供や孫と同居していて、将来は子供に家を譲る予定の場合には、子供の収入を合算することもできるかもしれません。

・頭金を入れる

2つ目の方法は、“頭金を入れる”という方法です。

借入可能額が希望額まで届かないときは、これが一番有効です。

当たり前すぎる方法ですが、年金生活者の場合は、ここでしっかりと将来を見据えて検討する必要があります。

頭金に充てるとしたら手元にある退職金などになると思います。

今後、どんどん収入が入ってくるわけではないので、

・もし将来自分たちが介護になったら・・・

・妻が未亡人になり遺族年金だけでは足りなかったら・・・

といったことを想定しながら、家族で検討する必要があります。

介護資金や遺族年金の補填に充てるお金も確保できているのなら、頭金を入れて借換するのもひとつの手だと思います。

・リバースモーゲージを利用する

借換を検討している場合に使える方法が、“リバースモーゲージ”という手法です。

読者によっては初めて耳にする言葉かもしれません。

リバースモーゲージとは、自宅を担保にお金を借り、それを老後資金に充てる方法です。

亡くなった後に担保となっている不動産を売却することで返済に充てるので、借りたお金は返済する必要がありません。

(借りたお金の利息は、生きているうちに返済していくのが一般的です)

ご自宅を相続する予定がない場合には、一つの方法として検討してみても良いかもしれません

■まとめ

以上見ていただいたように、年金生活をしていても住宅ローンを組むことはできます

一方、借入希望額まで借りられるかどうかについては、金額によります。

借入可能額が低い場合に借換を成功させる手段もいくつかご紹介しました。

その中には、ご家族(配偶者やお子様)と方針を決めなければいけないものも出てきます。

ただし、上で紹介した方法以外にも色々なやり方はあります。

それぞれのメリット・デメリットをしっかり把握することが大事なので、必要であれば専門家の助けも借りるのも手です。

もしご質問等ございましたら、当研究所へご相談ください。

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